小講演会「秋はふみ 吾に天下の志 -ふれあった生徒と本と図書館と-」(高見京子先生)(’12.12.18)

12月18日(火)放課後、図書委員会主催第2回小講演会が図書館で開かれました。

今回は本校国語科の高見京子先生をお招きし、「秋はふみ 吾に天下の志 -ふれあった生徒と本と図書館と-」と題して講演をいただきました。先生を慕う生徒や教職員が多く参加しました。先生ご自身のこれまでの歩みや図書館が果たす役割、高校生を主人公にした本の紹介など、盛り沢山の内容をお話しいただき、「真理がわれらを自由にする」ということを誰もが深く胸にとどめることができました。

これまでの歩み

先生は高校時代から「人と関わる仕事、一生働き続けることができる仕事、人の役に立てる仕事」がしたいと思っていた。大学では教育社会学を専攻し、卒業後、高等学校の国語教員として教壇に立った。結婚、出産後は、仕事と育児、家事の両立に追われる多忙な日々を過ごす。しかし、どんなにしんどくても仕事をやめようとは思わなかった。社会とつながっている自分自身の場を持つことの大切さ、職場と家庭それぞれで癒やされていたと振り返った。

「真理がわれらを自由にする」

国立国会図書館に大きく掲げられているこの言葉を伝えたい、と先生は熱く語った。知ることで世界は開かれ、広がっていくのだと。我々は学ぶことで解き放たれ、学ぶことで自由になっていくということを、自身の体験や本に述べてあることを例にとりながら話した。私たちは今、この場所に生きているが、読書を通して過去にも未来にもいけるという言葉が印象に残っている。

「本の紹介」

高校生を主人公にした、村上龍の『69』、朝井リョウの『桐島、部活やめるってよ』、松村栄子の『ぼくはかぐや姫』、その他漫画も紹介した。先生は「高校生が本当に好き」と言う。それは、ともに人生を語ることができてストイックであるからだと。「何かに向かって何かを我慢しながらストイックに頑張っている高校生の姿は本当に素敵」だと目を輝かせて語った。

「秋はふみ 吾に天下の志」

今回の演題にもなっているこの句は、文豪夏目漱石による俳句だ。学んで、大きなものに向かって開かれていくこと、それはまさに、我が校建学の精神である「気宇広大」であると先生は言う。「「気宇広大」の思いを持ち、未来へ向かって高校生活を思う存分に生きてほしい」という先生からの熱いメッセージで小講演会は締めくくられた。


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